『Fukuoka Smart East実現に向けた“これまで”と“これから”』(全3回連載)~ 第2回 少子高齢化にはどう対応していく? ~
2023年 05月 15日
元気で住みやすいまちと言われている福岡市。そんな福岡市にも少子高齢化による影響は押し寄せています。Fukuoka Smart Eastでは、少子高齢化に伴う様々な社会課題をテクノロジー等で解決できるよう、今のうちから様々な取組みを進め、未来に誇れるモデル都市を創造していくことを目指しています。
【少子高齢化による人手不足】
少子高齢社会を迎え、今後は、これまで人の力で提供してきたサービスの担い手や働き手が不足する一方で、ケアが必要な高齢者は増加していくと考えられています。これまで確立されてきたサービスの多くは、そこに数多くの「人」の支えがあることで成り立つという構図でしたが、人にしかできないことに確実に人の力を投入するためには、人でなくてもできることは、人の代わりとなる何か、に置き換えていく必要があります。
福岡市では、日進月歩の最先端のテクノロジーや画期的なアイデアを活用することで、Fukuoka Smart Eastで目指す、未来に誇れるスマートシティが実現すると考えています。イノベーションを実装した「技助」によるまちづくりです。
【実装に向けた取組み】
まだ社会になじみのない、最先端のテクノロジーや画期的なアイデアを実装しようとする場合、利用者となる方々が不安になったり、様子見をしてしまったりする可能性があります。そこで福岡市では、体験を通じて利用者の心理的なハードルを下げ、技術に親しんでもらうための実証実験に取り組んでいます。
カメラを搭載した街路灯を設置する実証実験では、高齢者や子どもの見守り、不審者の発見につなげられるという声をいただきました。また、歩行と同じスピードで動く自動運転モビリティの体験会では、親子連れや障がいのある方などにも乗ってもらい、新しい移動の手段としての期待の声が寄せられました。
これからも実証実験を継続していきたいと考えています。
【スマートシティのイメージ】
例えば、カメラや様々なセンサーがまち全体に設置されていて、不審な行動やうずくまり、事件・事故が発生した際に速やかに警備員が駆け付けてくれる、施設の混雑状況や屋外の様々なリスクを事前に確認してから外出できる、ウェアラブルデバイスも併せて活用することで、見守りが特に必要となる子どもや高齢者、認知症の方の位置情報や安否情報を離れていても確認できるまち。
例えば、アプリやウェブサイトを活用することで、自宅にいながら医師や看護士に速やかに相談できる、病院で待ち時間無く診察・会計を済ませられる、薬が薬局から自宅に届けられる、個々人の体調や要望に応じて健康維持・増進のアドバイスがもらえるまち。
例えば、複数のモビリティ(パーソナル・歩行速・自動運転・巡回型・乗り合い等)の重ね合わせにより、子どもや高齢者、障がい者、ファミリー層、そして住む・働く・訪れる人といった様々な方々の移動のニーズを満たす域内の交通インフラがあるまち。
こんなスマートシティであれば、少子高齢化に対応した安全・便利なまちとして、住みたくなる、働きたくなる、訪れたくなるのではないでしょうか。
もちろん、掲載した内容はスマートシティをイメージしてもらうための例えにすぎませんし、既に目にしている・手にしているとか、体験していることが多く、目新しさを感じなかったかもしれません。また、Fukuoka Smart Eastが目指すスマートシティにおいて、そっくりそのまま実装できるかどうかは、よく吟味しなければなりません。
大事なのは、テクノロジーやアイデアがいかに最先端であるか画期的であるかではなく、その「技助」が様々な社会課題を解決する最適解であること、そしてその最適解が様々な方々に歓迎され、多く利用されることだと考えています。
第1回:「これまでの振返りと今後の展望」
第3回:「気候変動にはどう対応していく?」